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ヲトメノイノリ / 石田千
¥1,980
ある強い願いを持ってピアノを始めた潮子、76歳。彼女のイノリは通じるのか。涙と笑いの表題作ほか、様々な年代の女性の生活と「祈り」を描き出す連作短編集。 判型 四六判 ページ数 224頁
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唄めぐり / 石田千
¥2,530
民謡はなぜ、人を元気にするのだろう……佐渡おけさ、木曾節、会津磐梯山、河内音頭、黒田節などの名曲から福島復興の祈りを込めた盆踊りまで、全国各地を訪ね歩いて歌う現場を生で体感。唄の名手たちと語らい、歌い継がれてきた歴史と変遷を繙きながら、根底に流れる人びとの情念をすくっていく滋味豊かな紀行エッセイ! 目次 秋田[秋田米とぎ唄] 蔵人の時計 香川[こんぴら船々] こんぴら、いまむかし 神奈川[ダンチョネ節、三崎甚句] 百人の断腸 沖縄[安里屋ゆんた] やいまのまやぐわーはミャヲミャヲと鳴く 青森[南部俵づみ唄] 三味線の渡る道 長野[木曾節] なかのりさんを探して 新潟[佐渡おけさ] 佐渡は居よいか住みよいか 富山[こきりこ] こきりこの秋、ででれこでん 徳島[三味線餅つき] うだつ見あげて 宮崎[刈干切り唄] 添い遂げる唄 岩手[げいび追分] 雪っこ唄っこ 群馬[草津節、草津湯もみ唄] 三度めの草津 熊本[牛深ハイヤ節] 船出は、ハイヤの風 宮城[大漁唄い込み] いのち湧く唄 広島[壬生花田植唄] ヤハーハーレー花田植 島根[安来節] 安来のお糸さん 鹿児島[綾はぶら節、今ぬ風雲節] とうとぅがなしの唄 大阪[河内音頭] 音頭の大河 北海道[ヤイサマネナ、江差追分] 川の神謡、海の追分 福岡[筑前今様「呑み取り槍」、黒田節] もののふの今様 三重[伊勢音頭] 安楽楽是者伊勢 山形[最上川舟唄、酒田甚句] 雪の細道舟下り 福島[会津磐梯山] 宝の山 東京[丸の内音頭、東京音頭] 夏の都のまんなかで 福島[あまちゃん音頭、新生相馬盆唄] 音頭の渦 あとがき 参考資料 判型 四六判 頁数 408ページ
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きなりの雲 / 石田千
¥660
大切な恋を失い、生きる気力さえなくしていたさみこ。ある時、アボカドの種の水栽培を始める。白い根が伸び、葉が出て……ここから、彼女の“蘇生の物語”が始まる。古びたアパートの個性的な住人たちや編み物教室の仲間たちとの交流。そして、仕事の編み物にうち込んでいくうちに、彼女の心の中に光が射し込み始める。静謐で美しい文章が、日常の中のかけがえのないものを描き出す。著者初の長編小説。第146回芥川賞候補作。 判型 A6 ページ数 240ページ
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窓辺のこと / 石田千
¥1,980
エッセイスト・小説家の石田千が共同通信に連載したテキストを中心にまとめたエッセイ集。日々のささやかなことや旅先で感じる独特の浮遊感などが綴られる。 気がつくと再開発に消えていたお茶漬け、おにぎり、漬物とお酒だけの名も無い飲み屋。五十歳の誕生日、歯医者の後、飲食は禁止の30分を待って作ったお好み焼きにマヨネーズで書いた「50」。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのコンサートで初めて飲んで、その後ミントを買って自己流で作り始めたモヒート。そして旅先のポルトガルの海辺や街中で感じる、今はなき誰かの声…。 食事や買い物、お酒にお菓子作りなど、日々のルーティーンの一場面が、写真のように静かに浮かび上がるエッセイ集。挿絵は牧野伊三夫による。 サイズ 46判/ページ数 267p
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リベルテレーベル 青木隼人 「日田」
¥2,750
SOLD OUT
青木隼人「日田」 映画館【日田リベルテ】と音楽家【青木隼人】と作家【石田千】と画家【牧野伊三夫】の想いが集まって、奇跡の音楽作品が生まれました。 ーこのアルバムは、日田の映画館、シネマテーク・リベルテで録音された。だれもいない映画館でひとり、マイクを立てて、ギターを弾いた。事前に楽曲を用意していくことはせず、その場でギターの響きを確かめながら音の流れを作り、形が固まったところで録音器をまわし、記録をしていった。 ー即興的にギターを弾いているときに、言葉は伴わない。…が、このアルバムでは、言葉の力で、この音楽たちの日田のつながりを深くしたいと思った。そこで日田と交流のある石田千さんに、出来上がった音楽を聞いてもらい名前をつけていただいた。千さんから受け取った曲名からは、自分では気付くことのなかった、音の背後にある風景や、まとっている湿度のようなものが、はっきりと立ち上がってきた。 ージャケットの装画は牧野伊三夫さんによるもの。「このアルバムを、日田という名前にしようと思うんです」と告げた途端、牧野さんは筆をもって一気に絵を描き上げた。そんな火花のような絵からは、日田を流れる三隈川の音や製材所で日田杉が整えられていく音が聴こえてくる。 (青木隼人ライナーノーツより抜粋)
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石田千・牧野伊三夫 - 月金帳
¥1,760
月金帳 2020 April-September 第1集 石田千・牧野伊三夫 著 p7 牧野伊三夫から石田千さんへ そもそも往復書簡のおさそいのきっかけは、共通の友人である映画館支配人が、疫病流行で困っているから、助けてあげましょうという千さんからのメールだった。 ~ 他愛のないメールのやりとりだったが、千さんは、こんなのんきな対話を友人にも見せると励ましになるかもしれないと思ったらしい。 ( 庭に物干しをたてた日に より) 月金帳(げっきんちょう)は、週の始まり「月」曜日と、週の終わり「金」曜日のたそがれに、交互にしたためられた小さな通信。 コロナの最初の嵐が吹き荒れ、人々が不安のなかに閉じこもっていた頃、作家と画家の手紙のやりとりが始まった。 家の中と近所の散歩だけの日々を報告しあうふたりの話題は尽きない。 おいしいものが嬉しい。草花が美しい。日常こそがとうとい。 孤独の味わいも友情の滋味もよく知るふたりがつづる言葉の向こうには、あたたかな希望がほんのり灯っている。 2021年4月よりWebで連載の往復書簡を書籍化。 装画・絵 牧野伊三夫